VOL.11吉村 大星さん

VOL.11吉村 大星さん

2021年度山口県芸術文化振興奨励賞を受賞された吉村大星さんにインタビューしました。
作品制作への思いや山口県での思い出等、さまざまなことをお話いただきました!

画像:吉村 大星近影

―吉村大星さんのプロフィール―

中学校卒業後、画家の父である吉村芳生氏のアシスタントをしながら自らの作品制作を始める。2020年には公益財団法人 エネルギア文化・スポーツ財団のエネルギア美術賞を受賞。芳生氏の超絶技法を受け継ぎ、さらに近年はインスタレーション作品にも挑戦するなど活躍の場を広げている。

山口県芸術文化振興奨励賞を受賞して

Q:受賞の感想をお聞かせください。
A:自分でも作品に対してコツコツと地味に取り組んできたと思っていたので、改めて自分のやってきたことが評価されて素直に嬉しいです。この受賞を励みにこれからも創作に邁進してまいります。

作品について

Q:芸術への考えや、作品づくりにおいて大切にされていることは何でしょうか。
A:2007年に父が参加した東京の美術展で、ある作品と出会い衝撃を受けました。その作品は、シンプルかつ丁寧で、嘘、偽りが微塵も感じられず、リアルそのものでした。その作品との出会いが後の自分の方向性を決定づけました。今でも創作する上での指針になっています。自分に噓を付かず、その時の持てるもの全てを作品にぶつけていく、それが自分の思うリアルです。自分にしか表現できない世界の確立を目指しています。もちろん、父、吉村芳生から受け継いだ色鉛筆の技法も大切に守って行きます。幸い、吉村芳生の息子だというプレッシャーは感じていません。父と一緒に仕事をした数年間は楽しい時間でした。アトリエから見える当たり前の景色と野良猫の世界を色鉛筆で描いていくことは、16歳の時からの変わらない大切なテーマです。
作品:やり残したことに気がついた

山口県(ふるさと)の印象

Q:山口県(ふるさと)について、どのような印象や思いがありますか。
A:アトリエの周辺は自然が豊かで野生動物や小さな生き物が多く、近所の建物には今でもホーロー看板が残されています。知らないはずの昭和の空気が心地よく、静かで落ち着いて創作に打ち込むことが出来ます。山口県は、応援してくれる人や家族や友人が暮らす大切なホームタウンなので、これからも暮らし続けたいと思います。

今後の目標・抱負

Q:今後の目標・抱負をお聞かせください。
A:コロナ禍の今だからこそ、一点でも多くの作品を創作したいです。人々の記憶に残り続ける作品を生み出したいです。より多くの人の共感を得るために、県外での活動や公募展への挑戦も考えています。野良猫やスーパーカーなどの身近な風景だけでなく、変化することを恐れずに、自由な発想で新しい表現方法を模索していきたいと思います。

若手アーティストに向けて

Q:若手アーティストに一言アドバイスや応援メッセージをお願いします。
A:誰でも、どこに暮らしていても、アーティストになれます。資格も必要ありません。しかし、自分をアーティストと証明するためには沢山の作品が必要です。自己満足や独りよがりでは、誰もあなたの存在に気付いてくれません。ネットの情報だけで満足せず、実際に作品展に足を運び、実物を見ることが大切だと思います。作品の大きさ、匂い、雰囲気など、五感で体感してください。実物を目の当たりにすることで、作品への理解が深まります。発表することを怖がらずに挑戦してください。自分の作品を客観的に捉えることができます。自分の今を知ることができます。

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