かたるっちゃ|野々村彩乃さん

VOl.2 野々村彩乃さん

下関市出身のソプラノ歌手、野々村彩乃さんにインタビューを行いました!
シンフォニア岩国での「サガ・プレミアムコンサート2018」(ゲーム、「サガ」シリーズの音楽をテーマとしたコンサート)を終えての感想や、歌うことについて、さらにはプライベートに関することまでお答えいただいています!どうぞ、ご覧ください。

画像:野々村彩乃さん近影

-野々村彩乃さんのプロフィール-

下関市出身のソプラノ歌手。全日本学生音楽コンクール声楽部門では史上初の2度優勝。2010年選抜高校野球大会の国家独唱は有名で、現在はコンサートをはじめ、ドラマの挿入歌も担当。2016年カーネギーホールでのリサイタルで大成功をおさめ、国際的にも活躍が期待されている。

今回のコンサートについて

Q:「サガ・プレミアムコンサート2018」についての感想をお願いします。
A:サガシリーズのコンサートについては、去年と一昨年に「サガオケ!」という、オーケストラによるコンサートの中で『胸に刻んで』※1という曲を歌わせていただきました。1年、2年と歌っているうちに、自分の成長や変化とともに新たな気づきもあり、サガシリーズのコンサートは自分なりの発見があるコンサートですね。
Q:今日歌われた中の、『砕かれし星』※2という曲が新曲だということでしたが。
A:そうです。今日、初公開でした。初公開が岩国の地で嬉しいです。
Q:アンコールに歌われた『エピローグ』という曲は、サガシリーズの演劇の中で使用されている曲だと伺いました。
A:以前のサガシリーズのゲームの中で、エピローグとして使用されていた曲であり、2017年に公演された演劇の曲の最後に流れる曲でもあります。本当はヴォーカルの曲ではないのですが、今回私が出演するということで、イトケンさん(作曲家:伊藤賢治さん)※3がヴォーカル曲にしてくださいました。
Q:今回のコンサートのために、編曲してくださったんですね。
A:そうですね。
  1. ※1 『胸に刻んで』:ゲーム『SaGa SCARET GRACE』で使用される曲。今回のコンサートにおいても演奏される。
  2. ※2 『砕かれし星』:ゲーム『SaGa SCARET GRACE~緋色の野望~』で使用される曲。
  3. ※3 伊藤賢治:『サガ』シリーズ、『聖剣伝説』シリーズ、『パズル&ドラゴンズ』等のゲーム音楽を主な代表作とする作曲家。

山口県について

Q:山口県には頻繁に帰ってこられますか。
A:そうですね、結構。「なるべくふるさとに帰りたい」という思いがあるので、山口県で演奏会をできる限りできるように調整しています。
Q:しばしば山口県に帰られるということですが、山口県の中でここは好きだな、他の人におすすめしたいな、という場所がありますか。
A:2つあります。1つ目は長府の城下町にある長府毛利邸※4ですね。この間も、下関で演奏のお仕事があった際に行きました。有名な場所ですが、その時は平日の午後で外国人の観光客が数名いらっしゃったくらいでとても落ち着いていて、すごく静かで。カエルと虫の声が聞こえて、ちょっと瞑想をしてみたりとか。ゆったり時間が流れていましたね。
あともう1つが、最近できた「あるかぽーと」※5っていう、下関の海沿いにある遊園地、「はい!からっと横丁」の辺りですね。下関で演奏会のあった後にはよく、夜に近くにあるカフェに立ち寄り、コーヒー片手に海沿いを歩いています。3日前の下関の本番後にも、ピアニストの子と一緒に、海沿いを歩いていたんですけれど、オットセイの鳴き声が聞こえてきて、それがまた面白かったですね。楽しかったです。
そういったところで、結構リラックスした時間をすごしています。
Q:活動拠点は、今東京でしたよね。こういうところで息抜きをされてるんですね。
A:めっちゃくちゃしています。こんなひと時があるから頑張れるんです。

※4 長府毛利邸 

画像:長府毛利邸

明治36年(1903)長府毛利家14代元敏(もととし)によって建てられた邸宅で、明治天皇の行在所(あんざいしょ)としても使われたところ。重厚な母屋と白壁に囲まれた純和風の庭園が往時を偲ばせ、安らぎの空間を演出している。

※5 あるかぽーと:下関市内の地名。

画像:下関市立しものせき水族館海響館

(写真はあるかぽーと内下関市立しものせき水族館海響館)

歌うことについて

Q:歌を始めようと思ったのはいつごろで、どういったことがきっかけでしたか。
A:きっかけは、幼稚園の頃にしたミュージカルですね。下関の梅光幼稚園に通っていたのですが、そこで毎年お遊戯会みたいな感じで、ミュージカルをするんですよ。キリスト教の幼稚園だったので、キリストの誕生前夜のストーリーでした。そこで天使の役に配役され、マリア様に「明日、おなかに子を宿りますよ」と伝える内容の歌があって、その曲を歌った時に、幼稚園の先生とお母さんが泣きながら感動してくれて。それを今でもすごく覚えていて。その時に歌手になりたいと思いました。それから、ずっと。クラシックの歌手になりたいって思っていましたね。
Q:歌う時に、大切にされてることはありますか。
A:いくつかありますが、食生活には気をつけています。当たり前の事なんですけど。体が楽器なので。
Q:気をつけて運動とかもされているのですか。
A:そうですね、横隔膜とか結構下半身を使うので、スクワットしたりとか、軽く筋トレしたりとかはしています。

好きなことについて

Q:お休みの日は、どういう風に過ごされていますか。
A:お菓子を食べながら映画を見るとか、一人で時間を過ごすことが好きですね。一人で海に行ったり、一人でカフェに行ったり、というのが好きです。最近は、東京に引っ越したので都内のいろんな公園で朝から昼まで過ごしたりしています。
Q:ちょっと喧騒から離れる、という感じですか。
A:そうですね、自然が好きなので。東京にいると、一人の空間っていうのがなかなか作れないんですよ。一人で自然に触れるということがすごく自分の心にとって大事なんです。
Q:憧れの人・尊敬する人がいらっしゃいますか。
A:いっぱいいますね。いろんな人が好きです。クラシック歌手だと、挙げだしたら50人くらい、好きな歌手がいます。でもやっぱり、同じ日本人で尊敬する方はメゾソプラノ歌手の藤村 実穂子さんという方です。目標というか、憧れですね。
Q:藤村実穂子さんのどんなところが魅力ですか。
A:技術ももちろんですし、人間性にも憧れます。ストイックな方なんです。更に上を目指すというようなスタイルがかっこいいなと。

若手アーティストへのメッセージ

Q:頑張っている、努力されている若いアーティストの方へメッセージをお願いします。
A:「やらない後悔よりやる後悔」という一言に尽きます。辛抱強く、まずやりたいことをやって、やった後悔の方がいい、そう伝えたいですね。やらない後悔が一番辛いと思います。自分も何回かあったので。「このコンクールに出ておけばよかったな」とか、「このときにこれを勉強しておけばもっとできたのに」とか思ったときは、コンクールで落ちたときよりも辛かったので。やっておけばよかったなと思いましたね。

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