陶芸家、渋谷英一さんが、平成30年度山口県芸術文化振興奨励賞を受賞されました。
今回はその授賞式に際し、萩焼に対する思い等をお伺いしました。
- 渋谷英一さんのプロフィール -
2004年 | 祖父に師事し作陶を始める。 |
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2011年 | 長三賞第30回記念大賞 受賞 山口県美術展覧会 佳作(2012年優秀賞、2016年佳作) |
2012年 | 西日本陶芸美術展 入賞 九州山口陶磁展 入選(2013年入選) 田辺美術館大賞「茶の湯の造形展」入選(2013年、2017年入選) |
2013年 | 萩の陶芸家たち展 優秀賞 菊池ビエンナーレ 入選 第60回日本伝統工芸展 入選 |
2014年 | 萩焼-山口県の陶芸展 出品(中国山東省) |
2015年 | 第23回日本陶芸展 入選(2017年入選) |
2016年 | 「現在形の陶芸」萩大賞展Ⅳ 大賞受賞 |
2017年 | 第5回陶美展 最高賞(日本陶芸美術協会賞)受賞 |
山口県立萩美術館・浦上記念館 作品収蔵 |
奨励賞を受賞された今のお気持ちについて
- Q:奨励賞を受賞された今のお気持ちについて
- A:嬉しさもありますが、これまでご指導やご支援いただいた方に感謝の気持ちが強いです。
- Q:作陶に際して心がけていることは何ですか?
- A:「今」にしか作れないものを大切にしています。自然と生まれてくる、同時代だからできる作品づくりに努めています。
- Q:発想の原点や大切にされていることはありますか。
- A:「緊張感」や「厳しさ」などを表現できるようにしたいと思っています。刀を作成するわけではありませんが、刀が持つ厳しい姿から現れる美しさのような。作品に対して厳しさを求めるように、自分に対しても厳しく向き合うようにしています。
- Q:どのようなスケジュールで作陶に取り組まれていますか?
- A:色々な用事で、窯を離れることも多いのですが、個展等の開催が決まっている場合は、仕事の調整をし、作陶の時間を確保します。試行錯誤して、納得いくまで、しっかり作品に取り組みます。
萩での地域との取組について
- Q:萩市内の若手・中堅世代と連携され、萩焼を通じて地域を盛り上げる活動にも積極的に参加されてらっしゃると思います。
- A:400年以上萩焼が続いてきたということは、いつの時代も、10年、20年先のことを見据えて、誰かが動いてきたと思うんです。今は自分たちの番。萩焼に関わる人々みんなで連携して、萩焼を盛り上げていきたい。萩焼をしっかり守って、未来へつないでいきたいと思います。
- Q:気持ちが折れそうになりそうな時に、渋谷さんを奮い立たせるものは何ですか?
- A:日ごろからの考えを崩さない。良いもの、美しいものを生むには苦悩がつきものです。苦しい自分としっかり向き合います。
- Q:山口で頑張る若手アーティストへメッセージをお願いします。
- A:自分でいっぱい、いっぱいなので(笑)。自分とどう向きあうかが、美しいものを生むかどうか決めるのではないかなと感じています。